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ぼんやりとした日々にさようなら「キャロル」レビュー

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あなたは一目見た瞬間から、見惚れるような

そんな同性に出会ったことがありますか?

 

目を奪われたように、気づいたら見てしまうほど

魅力的な人に出会ったことはありますか?

 

きっと誰にでもあるでしょう。

でもそんなに日常的に多いことじゃない。

この映画はそんな 誰にでも起こりうることを描いている恋愛映画です。

 

キャロルは非常に楽しみにしていた作品のひとつでした。

公開日の朝一、みゆき座で観たのですが

朝ゆっくりしすぎて、冒頭を見逃しました。

彼女たちが出会うシーンは観たので、まぁ良いかなという感じですが。

 

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この映画の主人公であるテレーズは

自分のしたいこともまだぼんやりとしか考えていない、決められない若者です。

彼氏からは結婚を迫られてるけど、テレーズは

「自分の頼みたいメニューすら決められないの」といってはぐらかして生きています。

 

そんな、どうにかしたいけど、決められないままな状態でいたレテーズが

退屈な仕事中にある人に出会います。

それが「キャロル」です。

 

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その人は遠くにいても、とても目立ちました。

たまにいるでしょう?遠くにいても一目で、オーラがあると分かる人。

 

テレーズは彼女を見つめて、彼女もその視線にすぐに気がつきます。

それから2人は、理由もないのに会うような、親密な関係になっていくのです。

2人で誰にも止められない、縛られない旅に出るのです。

 

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最初、テレーズは憧れの大人の女性としかキャロルのことを見ていなかったようですが

次第にキャロルという女性はあまりにも美しいのに

あまりにも悲しそうで寂しそうなことに気がつきます。

 

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完璧な女性だと思っていたけど、時折見せる弱さに

違う感情が芽生えていくのでした。

憧れが、恋心へと変わっていくのです。

 

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同性のラブストーリーは大抵が悲劇的に終わりますが

この「キャロル」は最後までどちらになるのか分かりません。

2人の関係の危うさや切なさは常にあります。

 

この映画のとても素敵な所は、彼女たちのセリフです。

もちろん映像も、衣装も素敵ですが、あまり聞いたことのない

でもとっても素敵なセリフがいくつかありました。

 

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キャロルと恋に落ちたテレーズが

彼氏に「目を覚ませよ、相手は女だろう?」というようなことを言われて

「今ほど目が覚めている時はないわ!」と言います。

 

恋は盲目という言葉がありますが、本当は恋をしているときが

一番感覚が研ぎ澄まされているときなのかもしれません。

繊細で、それまで枯れて、ぼんやりしていた毎日が

突然色付いたように変わるのですから。

 

女性として完成されているキャロルに憧れ、刺激や影響を受け

何も完成していないテレーズが変わっていくのが衣装でわかるのもとてもいいです。

 

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「変わったわね。私が離れて行ったから、そんなに素敵になったの?」と

キャロルがテレーズに聞くシーンがあって

テレーズは黙っていますが、観客からすると

完璧にキャロルからの影響が外に出て、テレーズは魅力的になったのだ、と分かります。

 

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あなたに出会って、あなたが私に与えたものはすごく大きい。

それが衣装で表現されているのが素晴らしいです。

パンフレットにも、衣装担当の方がそれを意識したとインタビューで

言っていましたが、完璧に表現出来ていました。

 

キャロルもまた、テレーズから自分らしく生きていくという勇気をもらうのです。

今までの人生は、自分を犠牲にしてきた結果でした。

ぼんやりと考える日々を終わらせたいと、強く想うようになるのです。

 

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ストーリーは「アデル、ブルーは熱い色」と似ていると思うかもしれませんが

あの映画ほど生々しく、痛々しく、心をグサッとされるような映画ではありません。

 

ラストはどうなるのかはここには書きませんが

私はとても素敵なラストだと思いました。

 

サントラも、パンフレットも購入したほど

「キャロル」という作品に恋をしたようです。